第1章 1.プロローグ
「政宗。。。どーしたらいいの。。。」
石碑の前で首飾りに手をあてながら空を仰いだ。
私の心と正反対の雲ひとつない青空が広がる。
あれから一年。
会社の帰りに石碑の前に訪れては
届きもしない500年前の愛しい人に語りかけるのが
日課になっている。
正直タイムスリップしたときなんて
なんの予兆もなかったし、
ただあるいてただけだから
どうしたらタイムスリップできるかなんて
まったくわからない。
私があのとき倒れていた場所、ここしか手がかりがない。
毎日ここにきて
もしかすると無意味かもしれない。
それでも
ずっと待ってるといってくれた政宗の為にも
なにより自分の為にも
藁にもすがる思いでここに立つ。
『神様。。。いるのならもう一度私をあの場所へ
連れていって下さい。お願い。。。。』
パキっーーー。
!!!
首飾りのガラス玉から鈍い音がした。
「??ヒビ。。。。??」
と、その瞬間あれだけ雲ひとつなかった空が
不吉な予感を告げるかのごとく
黒黒とした雲に覆われ,
ゴロゴロと地響きのような雷が鳴り響いた。
これはもしかしてタイムスリップの予兆?!
期待と不安が胸をかすめ、
それでも何かしないとと石碑にしがみついた。
ピカッ!!!!
落ちた!
と思うのが先か目の前に雷が落ちたのが先か。。。
視界がまったくなくなった。。、