第4章 消せない記憶。~宴~
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「はぁ。、。」
足取りが重い。
天守に続く長い廊下はこんなにながかっただろうか。
あのあと小一時間飲み食いをしたあと
信長様のお開き!という、言葉で宴会は終わりに。
信長様が広間を出ていき、私を通りすぎる瞬間に
『今宵天守だぞ。湯あみをしてからこい。』
耳元でささやかれ
『~っ/////』
危うく膝が抜けるところだった。
やっぱり信長様は勝敗がわかってた気がする。
どー考えても。
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『緑ですね。』
撃沈。。。。
現代風のアレンジをした大根の煮物だから
絶対佐助君の口にあうと思ったのに。
まさか
『謙信様が昆布だしが好きだからね。
僕もこっちかなと。』
謙信様、謙信様って何よ。
自分の意思を持ちなさいよ、意思を。
『やはりな。』
信長様が満足げにつぶやいたのを見逃さなかった。
『やはりなってどーゆーことですか?!』
『上杉の味の好みを以前政宗から聞いたことがあるからな。』
『えっ!どーゆー!』
政宗の方をみると、
『一度俺の飯を食わしたことがあってな。
もてなす時には相手の好みを知っておくってのは
大事だ』
『ええ!!じゃあもう勝敗決まってたじゃないですか!』
信長様にむかって抗議すると
にやりと笑いながら信長様は答える
『貴様が俺の判定は嫌だと言うたからだ。
まぁ佐助の上杉好きが味の好みまで似るのは賭けだったが。
俺にそのまま判定させていたら貴様の作ったものを
選らんでいたかもしれんのに。』
『な!!!な!!!そんな後だしじゃんけん!』
『敗けは敗けだ。おとなしく俺の言うことを聞け。
今宵は宴終わりに天守にこい。』
『ええっ!だから夜伽は嫌です!』
『敗者の意見は聞かん。そもそも夜伽と決まったわけでは
なかろう?もしや貴様、俺に捧げたいのか?』
『////!!!そんなことありません!』
『これは命令だ。余興は終わり、さぁまだ酒はあるぞ。』
有無もいわさず勝負は終了。
みんなまたまだまだ残っているごちそうを
美味しそうにたべだした。
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「…………はぁ。。。」
ため息しかでない。
そしてむなしくも目の前に天守に入る襖がやってきてしまった。