第4章 消せない記憶。~宴~
「………政宗さん、そーゆーことやるとはるが、ほら。」
私の手を取りながらはるに目線をやる。
「えっ?なに?ふぉんなことないっ。。」
まさか自分にふられるとは思ってなかったはる。
口にあいかわらず食べ物を入れたまましゃべってしまったので
喉につまりそうになり涙目だ。
政宗は何を勘違いしたのかちょっと慌てていう。
「なっ、お前きにしてんのか!これは男と男の友情だ!」
「は?!男?!そもそも政宗がいきなり引っ張るから
悪いんでしょ?!」
「お前がふんばり、きかないのが悪い。
運動不足じゃねぇか?」
「!!かちーん。もういいわ、絶対勝つ!!」
「望むところだ!!」
政宗と連れだって台所にいこうと席をたつ。
「ぷっ。。ふふふふふふふ」
はるがフニャッと笑う。
「兄弟みたい(笑)」
「「誰がこんなやつと!!!」」
こぼれ落ちそうだった涙は引っ込み、
みんなの笑い声が響き渡る。
広間を出る途中、
また席に戻り酒を飲んでいた家康にいう。
「ありがとう。」
翡翠色の瞳を少し大きく開き
でもまたすぐ目線をはずしていった。
「…………別に。あんたのためじゃないし。」
「でもありがとうっていっとく。」
そういって広間を後にした。
別に私のためじゃなくても、
そうじゃなくても、それでも
やっぱりほっとしたから。