第3章 消せない記憶。
「信長様、なにか私に仕事をください。」
お粥を食べて、またさんざん泣いたあと、
ふと胸に手をあてると政宗にもらった首飾りがあった。
『お前には笑っててほしい。』
そういってもらった首飾り。
いつまでもくよくよしても仕方ない。
そう思うと駆け足で広間へいき、
朝御飯を食べている信長様に向かって頼んだ。
「……。貴様、人が食事中にいきなりはいってきて
なんだ、騒々しい。」
「そうだぞ!お前、失礼だ。」
秀吉さんが同調する。
!!!しまった!
以前もそれで毎回怒られてたんだ。
最後は呆れられて、ひななら仕方ないってなったから
ついついその癖で。。。
「す、、すみません。。。つい。。。
いてもたってもいられず。。。」
「くっくっく、」
光秀さんは私のしどろもどろぶりをみて
面白がってるのかただただ笑っている。
「や、その。。。またあらためます。。。」
そういって部屋を出ようとすると、
信長様が笑いながら口を開いた。
「まぁ威勢がいいのはよい。
昨日は死にそうな顔をしていたが今日は
元気そうだな。辛気くさい顔をされるよりいいだろう。
では。。。」
「信長様!私と一緒のお仕事いかがでしょうか??
お仕事しながら、ここのこともお伝えできます。」
はるが目を輝かせて言った。
「……うむ。」
信長様はちらっと私を見て、
しばらく考えるそぶりをみせた。
「…いいだろう。ひな、貴様ははるについて
仕事を教われ。」
少し、おそらくだいぶ不安だけど、
そんなこといってられない。
「よろしくお願いします。はるさん。」
心の不安を隠すかのように
笑って返事をした。
「………何かあればすぐ言え。」
まだ何か言いたそうな信長様だったが、
すぐにはるに視線を戻した。