第3章 消せない記憶。
見ると湯気がたった
ツヤツヤした美味しそうなお粥が入ったお鍋が
政宗の横にあった。
心配して持ってきてくれたのかな。、。
『ぐぅ。。。』
「!!!!」
「ハッハッハッ!身体は正直だな、ひな。」
「やっ、これは!その!!」
無意識になったお腹の虫を恨む。。。
「しっかり食べろ、おいしもん食って、笑ったら
きっと悩んでることもいつのまにかふっとんじまうからな。」
そういって優しく笑いながら
私の頭を撫でる。
「さめる前に食え。無理してみんなのところで食べなくてもいい。」
,,,,,,,
「なんで。。。なんで。。。政宗とおんなじことするの。。。」
「ん?なんかいったか??」
だれにも聞こえないような小さな独り言。
誰にも届かない私の小さな叫び、。。。
「なんにもいってないよ!。。。。
でも。。。。ありがとう。」
精一杯の気持ちをこめて政宗に、伝える。
「!!!ぉう。しっかり食っとけ。」
そういって政宗は私の部屋をあとにした。
部屋のなかには政宗の匂いと、
おかゆのあったかい匂いが残った。
一口食べると、
いつも政宗が体調が悪いときに作ってくれる
あのお粥の味がした。
「でも、あの人とは違う。
違うんだから。。。」
そう言い聞かせて泣きながら平らげた。