第3章 消せない記憶。
「なっ。。。。なにを。。。」
「政宗さんって柄じゃないしな。ほら、早く。」
ちっ近い。。。
どんどん顔を近づけてくる政宗。
いくらあの政宗じゃないって言い聞かせても
同じ顔で近寄られると心臓がバクバクおとをたてる。
「言わねーと。。。」
「!!!!まっ。。。政宗!!!!」
声に出して
政宗といってしまうとまた胸がいたんだ。
「よし。ひな、お前言わねーとなにされると
思ったんだ??」
にやっと、笑いながら自分の名前を呼ばれたことに
心のどこかで喜んでしまってる、自分がいる。
それを打ち消すかのように言葉を発する。
「!!べっ別になにも思ってない!!!
政宗のばか!!!」
いまの自分がどんな顔してるかなんて想像したくないけど
恥ずかしいやら悲しいやら嬉しいやら
もう、どーしたらいいのかわかんなかった。
でも次の瞬間ーーー。
あったかい優しい政宗の手が
私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「よし、まぁ、まだ、笑うまではいかねぇけど、
その勢いだ。」
「へ、。。??」
「はるを助けてくれたんだ。
そこまで疑っちゃいねーよ。
それにはるが同郷の友達ができたって喜んでる。
向こうに帰れない可能性が高いってのも聞いたが
せっかくだ、泣いてばっかりいるより
笑って過ごした方がいい。」
励ましてくれてるのかな。。。
なんと、返事をしたらいいか困っていると
「ほら、お粥だ。昨日もほとんど、くってねーだろ。
いきなり固形物食べると腹もびっくりするしな。
みんなのところで食べるんだったら、そっちにもってくが。。」