第2章 2.消えてしまった時間
「あっ、それより戻れるかだよね」
私の顔が急に曇ったのを感じたはるは
私の方に手をおいてうつむいた私の顔を覗きこむ。
「佐助くん、次のタイムホールの出現場所とかわかる??」
「それが。。。ここ最近出現予定がまったくないんだ。」
「ないの?!」
「うん。僕たちは残るって決めたから、逆に現代に
戻らないように中々の精度をもって調べてるんだけど。。。」
「どうやって調べてるかいつも謎だよね、まぁいいけど。」
「それによるとここ20年間、
タイムホールが出現する可能性がほぼ0に近い。」
「20年?!ほんとに?!前は3ヶ月くらいで出現してたのに!」
「そうなんだ、正直ひなさんのタイムスリップが
かなりイレギュラーで、僕はまったく予想できなかった。
起こるはずかなかったんだけど。。。
そして、このタイムスリップを、景気に急にタイムホールが
安定しだしたんだ。」
「そんな。。。 それじゃあひなさんは、
あと20年は帰れないの?!」
「うん。。。この前みたいな突発的ななにかが起こらない限りは。。。」
チラチラと私を申し訳なさそうにみては
いまにも泣き出しそうなはる。
なにもはるは悪くないのに、
きっと人の気持ちを心の底からわかってあげようとしてくれる
優しい人なんだろうなと思う。
でもね、
私は戻れないとかそんなことで
黙ってしまったわけじゃないの。
別に戻れなかろうが、
戻れようが、私にはどうでもよくて。。。
戻ったって、
戻らなくたって、
もう答えは一緒だから。