第2章 2.消えてしまった時間
私が最初にタイムスリップしたのは
ちょうど本能寺の変のまさにその日。
信長様が顕如に殺される寸前を助けたことから
縁起物として担がれ、
安土城に住むことになった。
でもはるはその本能寺の変の前日に
タイムスリップしている。。。
「本能寺に向かう途中に急に私が降ってきたんだよね。
信長様のまえに。でもちっとも驚かなくて。」
「あの状況でびっくりしないのも驚きだよね」
「そのまま本能寺につれてかれたんだけど、
信長様と本能寺ってなったらさすがの歴史にうとい私も
知ってたから、危ないっていったんだけど
もちろん信じてもらえず。。。」
「危ないって訴えてるやつのほうが怪しいと思うよね」
「で、本当に火を放たれて殺されそうになったのを
助けたからやっと信じてもらえたんだよなー。。。」
懐かしそうにはるが話す。
私はひとつの疑問をぶつけてみた。
「あの。。。、信長様とか謙信さんとか本来であれば
亡くなってるはずなのに生きてるってことは
死んでる歴史の上にいた私たちはどうなるんですか??」
「うん。。そうだよね。これはあくまで僕のわかってる
範囲だけれど。。。」
佐助くんが一息ついて話す。
「亡くなっていないという歴史に書き換えられたことに
なると思う。つまりは、死んでいるはずの歴史にいた
世界そのものがなくなったんだ。」
「!!!でっでも今こうして私は謙信さんと信玄さんが
生きていない歴史からやってきましたよ?!」
思わず声に力が入る
「うん、これはあくまで仮説だけれど、
あくまでそれは僕たちが書き換えてしまう前の世界で、
もしもう一度ひなさんがタイムスリップした時、
戻った現代は謙信さまと信長様が生きていたという
歴史の現代に戻るはずだよ。」
「。。。そんな。。。」
確かにわたしが現代に戻ったとき、
なにか戻る手がかりをと思って歴史を調べたら
信長様が本能寺で顕著に殺されかけたという記述に
なっていたことを思い出す。