第2章 2.消えてしまった時間
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「以上がざっくりとした安土城だよ!!覚えられたかな?」
はるが満面の笑みで私を見つめる。
「……うん、ありがとう。」
あのあと広間をあとにして
はるによる安土城案内ツアーが始まった。
すみずみまで案内して
いろんな人に私を紹介してくれた。
4時間ほどかけたツアーも終わりをつげ、
いまはまた私が2日間寝ていた客間に戻っていた。
「あっ、疲れちゃったよね??さすがに広いし。
私も初めてのときはほんと疲れたんだよね。。。
そもそも500年前に飛ばされてたってだけで整理できてないのに。。。」
はるが心配そうに私を覗きこむ。
いや、半年間行き着くした場所を
あたかもはじめてですってリアクションをし続けることに
疲れました。。。
なんて言えるはずもなく、
ただただ苦笑いするしかなった。
ただ、城内は私が半年いたあのときと
まったく一緒で。
針子のお妙さんなんて口癖から
初対面のはずの私に延々と旦那の愚痴をいうところまで
一緒だった。
私は全部知ってるのに。。。
誰一人として私をしってる人がいなかった。、。
その事実を改めて突きつけられて
無性に寂しくなった。
「あっ、あとね、もう一人紹介したい人がいるの。
たぶんもうそろそろ来るとは思うんだけど。。。」
はるがキョロキョロと天井を見上げる。
何を見てるのだろうと思っていると。。。
「お待たせ、はるさん。」
急に天井から声が聞こえた。