第16章 重ねて

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「ひな様、
　私たちが一度信長さまに確認してから。。、」


「そんな走らなくても。、。、」



私がズタズタと天守に向かう廊下を走り
それをあわてふためいて
守衛の侍が追いかけている。


「ごめん！急いでるの！！！
　大丈夫！皆さんのせいじゃないから！！
　私の独断だから！！！」


「ひな様ーー。。。」








タタタタタタ。。。







政宗が、出ていったあと私にできることは
これくらいしかないと思い、信長様の元へ走る。



ガラッ！！勢いよく襖をあける。

「失礼します！！信長様！！」




「貴様は、確認するという意味を知っているか。
　なぜ確認より前に襖があくんだ。」


「うっ。、。、すみません。。。」



足音で私がくるのがわかっていたのか
寝袴姿の信長様が
あきれた顔でこちらをみる。




「それより！！信長様」



「なんだ、俺の部屋に確認もなくドタバタと容赦なく入り、
　それを注意するという、しごく当たり前なことを
　貴様にわざわざ教えてやっているよりも、
　それよりも大事な事があると？？」



意地悪そうに笑って信長様がいう。



「いや、そういわれると。、。
　あっ、いや、それより大事です！！！」



「ほぅ、なんだ。」



「私の褒美は小次郎に関して信長様が
　とやかく言わない事です！！」



「何を急に。」




「政宗に小次郎。。弟を始末しろとか、
　そんなの命令しないでください！！！」




信長様は一瞬、怪訝そうな顔をしたあと
すぐにいつもの端整で
何を考えているかわからない顔立ちに戻る。




「それが貴様の望む褒美か。」



「はい。」



「…………。」



「私は、政宗に、これ以上身内を殺す苦しみを
　味わってほしく。。。」



「その身内に自分が大切にしている者を
　傷つけられても、いまの言葉が言えるのか。」


私の言葉を遮るように信長様が言う。


「……、言えません。
　でも、小次郎は、、、もう政宗の後を追いません。」


「なぜ、そんなことが言える。」


「………勘です。」


「。、。貴様のその頼りない勘とやらを信じて
　何かあったあとでは遅い。」


「だから。。。」