第16章 重ねて
「ひな、大丈夫か?!
どこか怪我は?!」
心配そうに私を見て言う。
おそらく布団の血を見たんだろう。
前まで当たり前の距離感の近さに
思わず顔が熱くなる。
「あっ、うっうん!!大丈夫。
私の血じゃないから、。。」
「そうか。。。」
本当に私の血でないことを確認できて安心したのか
少し力がぬけたのがわかった。
声の調子ひとつで政宗の考えてることがわかるくらい
政宗の事を思ってるんだと
改めて思い知らされる。
「ほんとに大丈夫だか。。。」
ふいに政宗の親指が私の唇に触れ
ぬぐうようになぞる。
「なっ。。まさ。。」
碧い瞳に私が映っている。
なんとなく歪んだ表情にみえて。。。
胸の奥が痛む。
「簡単に。。。させてんじゃねぇよ、。。」
「なっ!!さっきのは防ぎようが。。その。。」
あの時を思い出して赤くなる。
この状況が耐えられなくなって、
思い付くままに言葉が漏れた。
「すっ、、すぐに口づけするのは血筋の問題?」
「血筋?」
「だって。。政宗も小次郎もすぐに。。。」
といいながら自分でハッと気づく。
「いやっ、まっ政宗も、最初の時はると
私がいるのに口づけしてたし。。、」
「あれは。。。」
いいかけて
ふと、政宗の表情が代わる。
「政宗様ー!!」
おそらく小次郎を探している家来が
遠くで政宗を探している声だ。
「政宗、いかないと。
呼んでるよ。」
「あぁ。でも、。」
「大丈夫だから、ね??」
「………すまねぇ。またあとでくる。」
私を優しく支えながら
体勢を整え、部屋を出ようとする政宗を
思わず呼び止める。