第15章 直感。
泣いていたと思ったら今度は
嬉しそうに笑顔をむけるはる。
コロコロ変わる表情は
私ですら愛おしく思えてくる。
そのはるを優しくみつめる政宗。
この光景を見ることしかできない私は
やっぱりあのままいなくなってもよかったのかもと
また弱気になる。
もし、あのまま小次郎にはるがやられてたら
どうなっていたんだろう。。。
「だめだなぁ。。。最悪」
そう思わずつぶやく。
と、急に視界が暗くなって
目がふさがれたのがわかった。
「……なに見てるの。」
家康が後ろから私の耳元でささやくように
つぶやいた。
「いっ。。家康!!ちっ近い!!」
ぐぃっと反対を向けられ、
家康と向かい合わせになる。
「後ろにさっきからいるのに」
「あっ!政宗がね、脇腹部分を打たれて。。
さっき、止血したんだけどやっぱりまだ止まらなくて
早く処置しなきゃなの!!
それからはるも小次郎に殴られたりもして、
見てあげなきゃ!!」
思い出したように家康にいう。
「はぁ。。。ひなは人の心配ばっかりだね。」
「え???」
「政宗は大丈夫。動脈が切れてたりしたら
今たってられないし、うまく止血できてるよ。
そもそも政宗だし。はるはさっき診察したよ。
たしかに、打撲はあったけど命に別状はない。」
淡々と答える。
「よかった。、「それより」」
私の言葉に被せるようにいう。
「ひなが、俺はひなが心配。」
「え。。。」
「ごめん。守ってあげられなくて。」
「なっ、なにいって。。。」
悲しそうな表情をしたと思うと
ぎゅっと、優しく抱き締められた。
と、同時にあの犯されそうになったあの時によぎった
家康の顔を思いだす。
「ごっごめんなさい」
「……なんでひなが謝るの」
「いや、、なんとなく。。。」
こんな顔をさせてしまってるのが
私のせいなら、。。ほんとに私は何を守りたかったのか
それが正しかったのかわからなくなる。