第15章 直感。
「ひなが帰ってこないってなって
はるだけ先に見つかって、
胸が張り裂けそうになった。」
「………うん。」
「ひな、よく頑張ったね。おかえり。」
身体をはなし、
頭を優しくなでられ
顔をのぞきこまれる。
優しい笑顔に
思わずドキッとして、目をそらしてしまう。
と、身体がふわっと浮く。
「いっ家康!大丈夫だよ!歩けるよ、私!」
家康が軽々とお姫様だっこをする。
「……だめ。今日は甘やかすから。」
にやっと笑われて
また顔が熱くなる。
「……なに想像したの??」
「しっしてないし!!!」
少し顔をくしゃっとして笑う家康。
顔を見せまいと
家康のたくましい胸板に顔をうずめた。
家康のあったかい、少し早い心臓の音が聞こえて、
なんだか安心できた。
「………ありがと。」
聞こえるか聞こえないかの声でいう。
私を抱き締める強さが少し強くなった気がした。