第15章 直感。
「ひなさん!!」
はるが駆け寄ってくる。
てっきり政宗にかけよるかと思ったら
ずんずんむかってきた。
あっ。。。どうしよう。。。
なんて言い訳しよう。。。
そう思っている間に
私の肩をがしっとつかんで
大きな瞳で私を捉える。
「大丈夫でしたか?!
私、私、、またひなさんに
守っていただいて。。。」
「あっ、いや、はるさんは
大丈夫だった??
頭とか殴られてから。。。」
「そんなの全然大丈夫です!!
私自分のこと、ばっかりで。。。
でも、ひなさん、あのとき。。」
「あっ、、えっと。。ああでも言わないと
小次郎の気をひけないでしょ??」
「でも私の為に、、あの、そのあと、。
その。。。」
はるの頬を涙がつたう。
「いや、泣かないで!!
それに何もなかったから!ね?ね?。」
「うっ。。。だって。。。ごめ。。ごめんなさい。。。」
泣きたいのはこっちだ。
まぁ感情をそのまんま表すのは
はるのいいところでもあるんだけど。。。
「はる、二人とも助かったでしょ?
ひなにいうのはごめんじゃないよ」
後ろからすっと通る低い声が届く。
振り返ると少し息が早い家康が
私を優しく見下ろしていた。
「家康。。。」
そっと肩に手がおかれ、、そこから
なんだかあったかいものが伝わってくるようだった。
「そっ、そうですね。。
ひなさん、ありがとう。。ひっく。。ございました」
まだ涙目のはる。
「どーいたしまして。」
精一杯の笑顔をはるに見せる。
後ろではるをささえ
優しく頭をなでる
政宗の顔は見れなかった。