第15章 直感。
重なりあう刀の力はそのままに
ギロッと私を睨む。
「威勢がいいだけの女のどこがいいんだ。
小次郎様もなぜこんな女を抱こ。。」
!!やめて!それを政宗の前で。。。
と声を発しようと思った瞬間、
私を抱いた左腕の力がさらに強くなり、
殺気が立ち込めたかと思うと、
大柄の男が急に崩れるように膝をついた。
「ーっ!!てめぇ。。。」
見ると下にポタポタと赤い血が落ちている。
「今なんていったんだ。」
「は?小次郎様がこいつを抱い。。。「もういい。」」
深く低い声が聞こえ
政宗の左手で目隠しをされた。
「ぐっ。。。」
男の声が聞こえ、
視界が開けたかと思うと
フワッと、身体が宙に浮き、
政宗に抱えられてるとわかる。
「政宗。。。」
「大丈夫。峰打ちだ。」
「って、おろして!政宗怪我してるのに!」
そういってる間も
ずんずんと私を抱き抱えながらすすみ、
大きな岩場の影につくと
そっとおろされた。
「そんなことはどうでもいい。ひな、お前。、。」
首筋につけられた跡に指を触れる。
蒼い瞳にまっすぐ見つめられて
なんだか動くこともできなかった。
「これは。。その。。」
「なんでっ。。」
少し悲しそうな顔をする政宗。
こんな顔を見るために私ははるの
代わりをしたわけじゃないのに、、、
やめてー。。、。
「政宗ー!!!!ひなさーん!!!」
下流からかわいい女の子の声が聞こえる。
はるだ。
「ほんとだ、助けがきたね。」
私の跡に触れていた政宗の手をとりいう。
「行かなきゃ。
あとこれだけはいっとくけど、抱かれてないから。
大丈夫だから。」
急にあのときの嫌悪感が思い出され
吐きそうになったけど、
勤めて平然を装い政宗につたえる。
「………ひな。。。」
「政宗ー!!!ひなさーん!!あっ、いた!!」
はるが私達を見つけて、
仔犬がしっぽをふってやってくるように
こちらに向かってきた。
「ほら。ね?」
にこっと笑って政宗の背中を押す。
「あぁ。。」
そういって、はるの方にむかう政宗の背中を
私はみているしか、できなかった。