第15章 直感。
「政宗といると心臓いくつあっても足りないね。」
くすっと笑いながらいう。
「人生楽しまなきゃな。でもひな、
よく俺が崖に飛び込むってわかったな。」
「わかるよ、政宗だもん。信じて。。。」
!!!
危ない、何を言おうとしたのか、
思わず言葉がつまる。
「どうした?」
あなたのその瞳を見たら
すべてを信じていいって思うんだよ。
ーーー言えないけどね。
「ううん、まぁでも無事でよかっ「無事じゃねぇだろ。」」
私の声にかぶすように政宗がいう。
「え?」
「はるから聞いた。お前が身代わりになったって、。」
「あっ、はる、無事だったんだね?
よかった。。。」
「よくねぇ、そこじゃない。」
どこまで、聞いたんだろ。。
いや、はるも意識朦朧としてたし、
そんな詳しく覚えてないと思うんだけど。。。
「ひな、お前。。。」
蒼い瞳の中に私の顔がはっきりうつる。
そういいながら、首筋の痕に手を伸ばそうとする。
「っーー。」
やっぱり動脈をかすれたのか、
じわっと包帯がわりにまいた布に血がにじむ。
「だめだよ、じっとしてて!」
あわてて云う。
「ひなは人の心配ばかりだな。」
「………いいの、心配ぐらいさせて。」
「ちょっと寝る。
大丈夫。あの足音は家康達だ。俺が滝に落ちたのを
みているはずだからたぶん助けにくる」
あの足音は家康たちだったんだ。。。
ほっと安堵感に包まれる。
「でも、寝るってーー。。」
言う前に政宗は静かに寝息をたて始めた。
本当はすぐにでも消毒して
止血してぬわないと、、、
政宗のお腹の赤い染みがさっきより少し
大きくなっている気がした。
どうしよう。。。
きっと、つらいはずなのにーーー。
あの時、肩を打たれたときだって
部下に辛い顔は見せられねぇって無理してたし。。。
助けを待つしかできないことがつらい。
ジャリっ。、。
後ろから河原の石を踏む音が聞こえた。
助けがきたと思い後ろをふりかえる。
「こんなところにいやがった。」
「!!!」