第15章 直感。
「政宗。。。」
ぐいっと引っ張られ
膝を地面につかされる。
刀が目の前にちらついた。
「それ以上近づいたらこいつを斬る」
あの大柄の男を斬った時と同じく
冷たい声が響く。
「小次郎。。てめぇどういうつもりだ。」
?!
まるで知り合いのように話す政宗をみて驚く。
「どういうつもりも何もお前だけが
いい思いをしてるのが気に入らないだけさ。
俺を勘当しやがって。。。何様のつもりだ。」
キン、。っと
刃先が私の頬をすべる。
スッと水分が頬を伝う感触があった。
「やめろ!!!」
「やめろ?誰にむかって口を聞いてるんだ。
とりあえずその刀を納めてもらおうか。」
「……ちっ。。。」
持っていた刀を鞘に戻す政宗。
「はっ、よっぽどこの女が大事だと見える。
わざわざ手紙に一人でこいと書いたら
ほんとに一人でのこのこ現れるんだからな。」
あっ。。。
勝手に政宗の女って名乗ってるのに
どうしよう。。。
政宗の大事な女は
あなたが先程置いていったあの女の子だよと
教えてあげたい。
「大分と、焦ってきたようだが。
予想より早く気づかれてこっちは焦ったよ」
ていうかそもそも政宗、なんでここにいるんだろう。
はると入れ違いとかになったのかな。。。
これじゃ私が身代わりになった意味が。。、
そんなことを思っていると
ふとさっきまでいた小柄の佐吉と大柄の男が
まわりにいないことに気づく。
そもそもこいつらはなぜこんな所にまで
逃げてきたのか。、。
「ここで土下座でもしてもらおうか。
ま、こいつを返すかどうかはわからないがな。」
!!!びくっ!、
首筋を舐められる。
気持ち悪い。、。
それでも必死に思考を巡らせる。
元々ここに向かっていたとしたら。、。
まだなにか。。。
!!!
キラッと光る何かが、茂みから見えた。
「政宗!!よけて!!!」
バンっ!!!!
銃声がつんざくように響き渡る。
と同時に政宗が前のめりに倒れた。