第15章 直感。
「ハァハァハァ。。。」
15分ほど馬を走らせて止まる。
さらに木が密集していて
馬では進めなさそうだ。
少し先に光が見えるので
恐らくこの茂みの先は開けているのだろう。
スピードをとばして走るのは政宗で慣れてたけど
ふんばれない状態で乗らせられると
こうも違うのだと
うんざりする。
「無理。。。もー無理。。。」
独り言のように言う。
「なんだ、もうくたばってるのか。
まぁ、ふんばれずにここまでむしろよくもったもんだ。」
「そう思うなら、この手ほどいてほしいんだけど。。」
ガサッ
近くで掻き分ける音がする。
「ちっ、もう来たのか。くそっ!
仕方ねぇ。いくぞ。」
「ちょっ!!」
馬から急に下ろされ
走らされる。
「痛いっ、痛いって。。、」
ぐいぐいと腕を、引っ張られる。
振りほどこうにも青あざが
できるのではないかというほど
強く握られていて振りほどけない。
茂みをぬけたと思うとそこは行き止まり。
崖だった。
「どこいくの。。」
そう訪ねようとしている途中に
奥から声が聞こえた。
「ひな!!!」
何度聞いてもこの声に反応してしまう。
拘束されているので触れられないのに
首飾りを意識した。
振り替えると茂みから
政宗が肩を揺らして出てくる。