第15章 直感。
「小次郎様!!」
と、もう一人家来と思われる男が中に入ってきた。
「政宗が信長や家康をつれて
全員がすごい勢いで捜索しています。
ここが見つかるのも時間の問題かと。。」
「チッ。空気を読めない奴め。
しかしまぁ。。大群できやがったか。
一旦お預けだ。」
「ーーー痛っ!!!」
無理矢理鎖骨に跡をつけられる。
「いくぞ。あいつもつれてけ。
お前は政宗にこれを」
はるを指しながら言う。
紙のようなものを差し出された家来は
すぐさま下がりどこかへいった。
「あの子には何もしないって!!」
「しねぇよ、つれていくだけだ。
お前はお前の心配してな。」
気づくとまた後ろ手に手をしばられ
ひょいと小次郎と呼ばれた男に担がれる。
はるは大柄の男が軽々と担ぎ
その場を後にする。
外に出ると木々が立ち並んでいる。
私たちがいたのは
どうやら山の中にある小屋のようだった。
「助けてーーーーー!!!!」
「「「!!!」」」
つんざくような声ではるが叫ぶ。
「チッ!!こいつっ!!」
大柄の男がはるをにらむ。
「まだ叫べる力が残ってるとはな。
かまわん、時間稼ぎだ、政宗に渡そうとした手紙と
そいつを置いてけ!」
小次郎が大柄の男に命令する。
「あぁわかった!」
はるを乱暴に地面に下ろす。
「ちょっと!!」
「お前は黙れ。叫んだら容赦しねぇ。」
奥からガサガサと掻き分ける音がする。
ギろっと睨まれ馬にのせられる。
「いくぞ!!」
獣道の中を馬を器用に走らせて進む。
後ろ手に縛られているので
ふんばれずダイレクトに振動がきて
生きた心地がしない。
吐きそうになるのを押さえながら馬が止まるのを待った。