第15章 直感。
「は?何を今さら。。」
小柄の男が私の頭をつかみながら
言おうとすると、
男が遮っていう。
「へぇ、急にどうした。
こいつを助けるための方便だったら
たいそう自己犠牲の強いやつだな。
安心しろ、お前ら二人ともやってやる。」
にやっと笑いかける。
「ひなさ。、ん。、?」
先程殴られた関係か
はるの意識が朦朧としているようだ。
「あんたの興味のない女を間違って抱いて
何が楽しいわけ。
ただの性欲がたまってる男のやることじゃない。」
「へぇいうじゃねぇか。」
大丈夫。きっとまだこの男は私を殺さない。
ただの願望かもしれないけれど。
「佐吉、離してやれ。」
佐吉と呼ばれた小柄の男が私の上から降り、
座らせられる。
「この状況でよくもまぁ、
俺に話しかけられるな。」
「こういうことは政宗の戦好きで慣れてるからね。」
「なるほど、確かに肝っ玉がすわってる。
ただ別に黙ってたらこいつがお前の代わりに
やられてたのになぜ名乗り出た。」
はるの顔をつかみ自分の顔に近づけ、
そのどこかで見たような目を細めていう。
「自分の始末は自分でつける。
政宗の女じゃないこの子を政宗の女として
扱われたらいい気はしないので。」
「ふっ。変わった女だな。
政宗が惚れたのもわからいでもないな。
だが、それだけで俺が信用すると思うか??
お前が政宗の女だと証明するものは?
悪いがこっちは近親の者や過去の女にも
聞いてるんでな」
そこまで調べてるなら
ちゃんと政宗の女まで調べときなさいよと
心の底から思う。
「桜、菊乃、、あと百合だったかしら。
こう並べると政宗は花の名前が好きみたいね。」
男の目が少し大きく見開かれる。
「へぇ。。よく知ってるな。」
「あんまり嬉しくないけど、」
やっぱり合ってた。
私と出会う前の歴史は
変わってないはずーーー。
政宗との関係変わってない。。。
そう思ってカマをかけた。
散々嫌がらせもされて、
嫌な思いもしたけど
こんなとこで役に立つとは思わなかった。
ちらっとはるを見ると
聞こえているか聞こえていないかわからない表情を
している。
できれば聞かせたくないけど。。。
そうもいってられない状況だ。