第2章 2.消えてしまった時間
あのあと、すぐに私は
はるに連れられ安土城の広間に案内された。
案内といっても、、、
勝手知ったる安土城で。
広間に入ると
上座に信長様が座っていた。
その下には秀吉さん、光秀さん、
家康、三成さん、そして、。、政宗もいた。
この前あんな光景をみて、
それでも政宗の顔を見るだけで
泣きたくなるように嬉しいのが不思議だ。
「座れ。」
ほかのだれも逆らえないような
低い声が広間に響く。
あぁ、前の時もそうだったかなぁ・・・・
なんて思いながら静かに前に座った。
「はるの事、世話になったな。
感謝する。貴様、名は」
まっすぐ私を見つめる信長様に
かつての優しい瞳はなかった。
あぁ、やっぱり。。。。。
なぜ私の名前を聞くんですか、信長様。
___________
「・・・・う~っつ・・・・」
政宗とちょっとしたことで喧嘩して
夜、庭で隠れてないている私。
「頭隠して尻隠さずとは本当だな、ひな」
「・・・!!!信長様!!」
湯浴みを終えたであろう信長様が
寝袴で前にたっていた。
「なんだ、また政宗と喧嘩したのか。」
「・・・・ちっ違います。」
「ほぉ違うのか。ならば今ここに政宗を呼び立てても
いいのだが?」
にやりと笑いながら信長様がいう。
「!!!だっ!!だめです!!!絶対に!!!
・・・・すみません。喧嘩しました」
「ふっ。これで何度目だ。
ならば今日の夜は夜伽を命じるか・・・」
「・・・!!嫌です!!!」
「ふっ。冗談だ。何も真剣に断らなくてもいいだろう。
まぁなんにせよ、涙が止まってよかった」
「あっ・・・」
「貴様の涙はわしとて応える。
今日は碁の勝負でもするか」
「・・・・・勝ったら金平糖がいいです」
「食い意地だけは一丁前だな。
よかろう、いくぞ」
「はいっ!!!」
たわいない会話。
信長様はいつも私を気にかけてくれて。
お酒の飲めない政宗に変わって一緒に酒を交わしたり、
政宗と喧嘩をしたときは
朝まで碁をしながら私の話を聞いてくれた。
_____________________