第15章 直感。
こんなの政宗の女っていった途端に
なにされるかわかったもんじゃない。
正直現在進行形で政宗の女と
過去政宗の女だった二人をつれてきたあいつら
間違いじゃないんだけどーー。
なんて変な考えが浮かんでくる。
「お前か?」
はるをのぞきこむ。
「あっ、、いやっ。、。」
涙を浮かべ言葉が出てこないはる。
私を握る手に一層力がこめられる。
「言わないなら構わん。
二人ともやるだけだ。」
「え。、、」
「もうすぐ祝言をあげるらしいじゃないか。
殺しはしない。
あいつが一番愛する者を俺が奪うだけだ。
そのあと返してやるよ。
あいつが俺に犯された女と生涯過ごすかと思うと
笑いが止まらないね。」
「ーー!」
「いいな、その、絶望的な顔。」
はるの顎を持ち上げて笑う。
政宗とこいつに何があったかわからないけど、
ほんとに歪んでる。。、
「名乗りでなければ二人とも痛い目をみるが?」
楽しそうに笑う男。
「どっちにしろ殺すくせに。ーーっ!」
言った途端に喉元に血がまだ垂れている刀を
つきつけられる。
「同じことを何度も言わせるな。
政宗の女はどちらかと言っている。」
まっすぐ獲物を吟味するように見つめられる。
その目がなんとなくどこかで見た気がするのは
きっとこの状況が変なことを
考えるようになってしまったのだろう。
死ぬ前に走馬灯のように色々見えてくるみたいな。
しばらく私が話さないとわかると
刀を下ろすと私たちの前に座り込む。
「もう一人の女も殺しはしねぇよ。
俺が興味があるのは政宗の女だけだ。
もう一人のやつは顔を見られたからって殺しはしない。
むしろ覚えてもらわないとな。
俺の計画を。」
計画とかいうくらいなら
どっちが政宗の女かぐらい調べてから誘拐しろよ。
と、変に冷静になってしまってる自分がいた。
「しかしーー。」
「やっ!!!!」
はるの顔をつかみまじまじと眺める。
「あいつの落ち着き、そしてお前の動揺を見るからに
お前が政宗の女だな。」
にやっと笑ってはるの頬をなめる。
「やめてっ!!」