第15章 直感。
どちらも淡い空のような色の美しい生地だった。
「うーん。。。」
その掲げた生地のもうひとつ横にあった生地を
持ち上げながらいう。
「どっちもいいけど。。。」
政宗の目の色と同じ蒼色の吸い込まれそうな生地だ。
あの時作った着物もこんな色だったな。。。
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『はい!政宗!お誕生日おめでとう!!』
政宗の誕生日に、内緒でずっとつくっていた着物を
渡す。
『ついにできたか』
『えっ?ついにって知ってたの?』
『当たり前だ。お前の事は全部わかってるからな。
知らないふりをするのが大変だった。』
『なっ!!』
『嬉しそうに刺繍を入れてるお前の顔を
そっと眺めるのも悪くなかったがな』
『うそ!隠れてぬってたのに。。』
『お前は嘘がつけないだろ。
すぐ顔に出る。』
『むぅ。、。』
少し頬を膨らませると
大きな手が頭を撫でる。
『ありがとうな。
ひなが俺を思って作ってくれてる過程も
すべて含めて嬉しい。』
『うっ、うん。////』
面と向かってはっきり言われると
なんだか照れ臭い。
『それにこの色、いい色だ。』
濃い蒼色は政宗の目の色と
そしてまっすぐ突き進む政宗そのものを表してるような
そんな気がして
すぐにこれだと決めた。
『すぐに着たいが、
とりあえず先にもうひとつのぷれぜんととやらを
いただく。』
『へっ?そんなの用意してな。。。』
『ひな、お前だ。』
そういってすぐ少し強引なキスがふってきた。
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「こっちですか。。。??うーん。。」
相変わらず生地を手にかけたまま
私の選んだ生地を見るはる。
「えっ?あっ、ごめんごめん、違うの、こっちは
たまたま気になっただけで。」
選んでるようで
まったく違うことを考えていたことを
暗に詫びながら言う。
「大丈夫です!で、どっちだと思いますか?!」
ぐぃと両手に持った生地を私に見せるはる。