第14章 動揺。
碁石が地面に散らばる。
強く美しい顔が目の前に迫る。
信長様の目は
見るものを離さない。
まっすぐ見つめられるとまるで
自分が獲物になって捉えられたかのように
動けなくなってしまう。
「俺は。。。。
家康のように待つのは性に合わないんでな。」
「なっ、だから何をーーー。」
「さぁ、なんだと思う?」
顎を右手でもたれ上を向けさせられる。
「人命救助だったかどうか、確かめてみるか。」
「!!!えっ、いや、そのっ。。、」
親指で唇をなぞらえられる。
心臓のバクバクが
もう信長様に伝わるんじゃないかというくらい
私の中で大きな音をたてている。
「やっ、あっーーー」
「その口は塞がぬと黙らんのか、ひな」
「そんなっ///」
にやっと笑われて見つめられると
もうなにも考えられなくなる。
ーーーっ。。
思わず目をつぶる。
と、おでこに優しい感触が触れる。
「なんだ、口づけをされると思ったか」
優しく笑う信長様。
「えっ、いや、そんなことはっ!」
「ひな、貴様が自分から望め。」
「じっ自分からって!!////」
「なんだ、さっきは受け入れようとしていただろ。」
「なっ!そっ、そんなことっ!ありませんっ!////」
「ふっ、まぁよい。ひな、今貴様の頭の中は
俺の事で満たされていただろう」
「えっ!!なんですかその自信!」
「ほぅ、違うと?」
信長様に見つめられると嘘がつけない。
「ちっ違わなくもない。。。ですけど。。。」
「また変なものが入ってきたら言うといい。」
「!!!」
ぐいっと腰をもって近づけられる。
「貴様が望めばいつでも俺で満たしてやる」
「~~っ!!」
政宗がいいそうな台詞を
面と向かってまた違うたくましい腕に抱かれながら言われると
私の温度はさらに急上昇した。
「!!!っもっもう!冗談はやめてください!!!
とっとにかく今日はありがとうございました!!!
お休みなさい!!!」
一気に捲し立てて言うと、
するりと信長様の腕を抜け
パタパタと天守をあとにした。