第14章 動揺。

「・・・べつにひなが悪くないし。
　悪いと思うならこのまま俺に抱かれといて。」

「なっ！なにいって！！！」

「ひな、知ってる？過呼吸って
　精神的なものが結構多いんだよ？？」

「え？だって、なんかさっき信長様が
　体調のうんぬんって・・・」

「……。そうだね、
　でも、本当にこれだけは知っておいて欲しい。」

抱きしめていた手を私の頬にあて
まっすぐ私を見つめる。
翡翠色の目に思わず引き込まれそうになる。

「ひなはひとりじゃないから。
　俺はいつもそこにいるし・・・
　言いたくないけど信長様もきっとひなを思ってるから
　ひとりじゃないから。
　それだけはわかってほしい。」

「・・・・うっうん。」

まるで暗示にでもかかっているかのように
すっと私の中に家康の言葉が入ってきた。


「あ・・・ありがとう。。」

わかってるよ、家康。
信長様。
私だって子供じゃないから。
二人の気持ちだって、
わからないような若造じゃないし。

でも過呼吸になるほど
まだ政宗のことを思ってることがわかって、
どうしたらいいかわからなかった・・・・。





そんなもやもやを思いながら
家康の部屋で休ませてもらった。

でも後半は過呼吸の胸の痛みじゃなくて
やるせない痛みの方が多いきがして
押さえるのに必死だった。