第14章 動揺。
「……っ!兄弟喧嘩とかっ」
耳を赤くしながら家康が反論する。
と、頭を大きな手が包み込んだ。
「そこまで笑えたらとりあえず今はもう大丈夫だな。」
「!!!!」
しゃがんで優しい眼差しで私を覗きこむ信長様。
「しっかり休め。」
「…っ!はっ。はい。」
男の人に使うのはおかしいって思われるかもしれないけど
優しくて、美しいその顔、
凛とした瞳に思わず見惚れてしまった。
頭に手をおいたまま
家康にいう。
「あとは頼んだぞ。」
そういうと立ち上がり部屋をあとにした。
頭の温もりがまだ残ってて、
抱えられた背中のあったかさもまた思い出して。、。
忙しい私の心臓は
バクバクしっぱなしだった。
信長様が出ていった襖を眺めていると
ちょっと不機嫌そうな家康の声で我に帰る。
「………はい、これ飲んで。」
湯飲みを渡される。
「あっ、ありがとう。。。って苦っ!!!
苦い!!!この前のより苦いよ!?」
涙目になりながらいう。
「………苦くしたんだけど。。、
変な虫の消毒だと思って飲んで。」
聞こえるか聞こえないかの声で家康がつぶやく。
「え?なんていったの??
変な。。?」
「……いい。とにかく、苦かろうが不味かろうが
薬だから。処方された薬は呑むのが鉄則。」
「うーーーー。」
「……文句言わない。俺が文句言いたいくらいなのに。」
「なんでよー。、。」
家康を睨みながらちびちび飲んでいう。
「……。俺がその時いたら。、「苦いーー!まずいーー!」
最後のひとくちを一気にいくと
口の中でこの世のもの思えないくらいの苦さが広がり
思わず叫んでしまった。
「ごめん、なんだっけ??」
口を押さえながらかぶしてしまった事を詫びる。
「……いいよ、別に。」
「・・・・。うー・・・」
確実に不機嫌そうに見える家康。
理由がなんとなく予想をできてしまった自分に
ちょっと顔が熱くなってしまった。
「…何??」
「いや、、その、、、いや、別にその
信長様とも家康とも・・・」
しどろもどろになってわたわたして
必死に取り繕う。
「………」
「!!!!!」
急に家康がこちらをキッと見つめたかと思うと
身体が包まれ
目の前に家康の胸板が現れた。