第14章 動揺。
「~////っ!!」
「それで??」
もごもごしてると
家康が覗きこんできた。
「いや、その。。。」
だんだん顔が熱くなる。
「なんだ、ひな、思い出したのか。」
今まで静かに家康の診察を見ていた信長様が
にやっと笑いながらいう。
「思い出した?」
怪訝そうに家康が聞く。
「え?いや、そのちがうの!
えっと、その。。。」
手をバタバタと動かして
どうしたものかと思案していると
信長様が口を開いた。
「貴様が言えないのなら俺がいってやろう。
過呼吸だとわかり袋を探したが見当たらなかったから、
口づけで対処した。」
家康の翡翠色の目が大きく開いた。
「やっ!!そんな言わないでください!
はっきりと!」
「でもあれがなかったら貴様は
さらに苦しんでいただろう?」
「や、まぁ、そっそうなんですけど、、、
そっそうなんですけど。。」
「なんだ、天下人との口づけだ、
喜べ。」
ケラケラと笑いながら言う信長様。
「………へぇ。。。」
家康が低い声で返事する。
「や、だからこれはあれだよ?
仕方なくっていや、なんでこんな私がいいわけを。。。」
あたふたしているとまた
からかって楽しんでるような信長様が言う。
「この対処を教えたのは家康だぞ?不満か?」
「……っ!確かに、確かに言いましたけど!!」
キッと信長様を睨む家康。
「何かあるか??
あるなら申してみろ?」
「………ありませんけど!でもっ!」
「ほぅ、まだ楯突くか?つまり貴様はひながそのまま苦しんだらと??」
「……いやっ、そういうわけではないですがっ」
苦虫を噛み潰したような顔をする家康。
「まだ俺に言いたいことがあるのか?切るぞ?」
「ハァ。、そのすぐ切る癖やめてもらえませんか?」
「ほぅ、まだ口答えするか」
カシャっと鞘に手をかける。
「………すみません。」
「ぷっ!!あははははは!」
「「!!!?」」
反抗したいのに、
信長様に言い負かされている家康がおもしろくって、
まるで兄弟喧嘩みたいな二人の会話に
思わず吹き出してしまった。
「ごっ、ごめんなさい、
なんか二人とも兄弟みたいでおもしろくって」
笑いすぎて涙が出てきそうな目を擦りながら言う。