第14章 動揺。
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「開けるぞ、家康」
「………っ、毎回言いますけど
開ける前にそれを………ってひな?!」
家康の部屋に
合図もせずにどかどかと入る信長様に
一言文句を言おうと振り替えると
まさかの光景に思わず声をあらげる。
「針子の仕事をしている途中に倒れた。」
「倒れたって?!すぐ、こっちに寝かせて下さい。」
指示される通りに敷かれた布団の上に寝かされる。
「いや、ごめん、もう大丈夫なんだけど。。。」
「ひなの大丈夫は信用ならない。」
いいながら脈をとる家康。
「過呼吸のようだ。」
「過呼吸。。。」
心配そうな眼差しを私に向ける。
「や、ほんとにね!もうよくなったの!急に。、。」
「……静かに。脈とれないから」
人差し指で唇を優しく押さえられ、
たしなめるように見つめられると
なんだかドクンと胸がなった気がして
思わず脈をとられている手をはずす。
「ひな、じっとしてて。」
「ごっごめん。。。」
呼吸を整えて右腕を差し出す。
なんだかわからないこのドキドキが
ばれてしまいそうで、
それがさらに脈を早くさせている気がした。
「……、うん、脈は早いけど
異常はなさそうだね。」
「そっ、そうだよ!」
身体を起こして訴える。
「いきなり息ができなくなってびっくりしちゃって、それで。。。っ!!!」
記憶を振り替えると
思いっきりあの場面が思い出されてきた。
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『ひな、許せ』
『んっ。。。』
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