第14章 動揺。
『ひなが嫌だっていっても
ちゃんと、ここに俺はいるから。』
ーーーーっ。。。
政宗が遠くにいっちゃうのが悲しい涙なのか
醜い自分への涙なのか
家康の優しさへの涙なのか
もう何がなんだか、わからないけれど、
さっきまで、なにも出てこなかった涙が
溢れでて来た。。。
『うぅーー。。。、』
『ここにいるから。、。ずっと。、。』
【ずっと】私には酷な言葉だ。
思いがとめどなく溢れる。
『!!ずっとって。。
ずっとなんてわかんないよ。。。
結局ずっとなんて保証なんてない。。。
信じてる方がバカみるんだよ。、。』
家康にくるまれて胸板部分の着物が
私の涙で濡れていく。
『そんな簡単に言わないで。ひっくひっく。。。』
『…………。』
私の抱く腕がぐっと強くなった。
『じゃあこれ持ってて。』
懐に手をいれ目の前に出す。少し古ぼけた
お守りのようだ。
『これ。。。』
『俺のお守り。小さい頃からずっと持ってた。
ひなに預ける。』
『そんな大事なもの預かれないよ!』
『大事なものだから預ける。』
『えっ。。』
『これは俺が小さい頃から持ってたから忘れない。』
『ーーーっ!
家康、あの時の話ーーー。』
『あのとき?』
なにも話す気はないという目を向けられた気がする。
『あっ、ううん。、…………。』
『まぁ忘れることなんてないんだけど。
約束。』
ふわっと笑う家康。
なんとなく、家康は気づいてる気がした。
私の気持ちもきっとわかってる。
わかってるのに、こうやって一緒にいてくれる。
私はその家康の優しさに
ただ甘えてるだけなんだろうけど、、、
でも、、、、
もう少し甘えてもいいですか、、神様ーーー。
そのあとも私が落ち着くまで
ずっとそばにいてくれた。