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【イケメン戦国】蒼い瞳の向こう側

第13章 平穏。




「あっあの唯さんは。。。」 

ぴりぴりした空気に耐えきれず言う。

「唯も同じ場所だ。」

信長様が言う。

「そういえば唯が感謝していた。
 ひなに救われたと。」

「あっ。。。」

はるに刃を突きつけた場面が
ばっと思い出された。
反射的にはるをみる。

はるは私の目線に気付き
小さく首をふった。
おそらくあのことは黙っているということだろうか。

「いえ、私も唯さんに助けていただきましたし。」

まぁ種をまいたのは唯さんだけど。
そんなこと言ったら元も子もないし。
実際あの小刀がなければ逃げ切れなかったかもしれない。

療養中に何度か信長様にあのときの様子を聞かれた。
私からはるに刃を向けたことは言いづらくて
あえてなにもいってなかったが、
はるも言わなかったらしい。

もし言ってたら。。。
たぶん軟禁では済まなかっただろうなと
思う。
はるもそう思ってあえて言わなかったんだろう。

「………まぁよい。貴様らが口を揃えてなにもなかったと
 いうのなら何もいうまい。光秀そのまま報告を。」

「はっ。」


あっ、、
絶対ばれてるな。そう思いつつ
信長様は私たちの思いを汲み取ってか
それ以上言及しなかった。

光秀さんの報告が続く。

「信長様らを襲ったのは蒲生氏の側近で、
 どうやら謀反を企てていた中心はそちらのようです。
 農民に対する政策があまりにもひどいということで
 土地をとりあげられ信長様を恨んでいた大名に
 金で買われたようです。」

「その大名は。」

「既に。」

「俺が出向くまでもなかったか。」

「はい。蒲生氏は自分達は質素に民を豊かにということで
 下からは慕われていたようですが、
 よく思わないものもいたようで。」

「自分の領地をましてや自分の側近も
 まとめられないようではどうしようもない。」

厳しいようだが確かにそうかもしれない。。。
そのあとの光秀さんの報告によると、
蒲生さんと唯さんは自分達の子供と家族を人質に取られ
しぶしぶ従わされたようだった。
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