第11章 策略。
倒れた男が刀をもって体制を整える前に
「はるさん、唯さん!早く!!!」
声をかけ今男がいた廊下を進もうとする。
とにかく逃げなきゃ。。。
一度素手で刀相手に止めようとして
政宗に助けてもらわなかったら死んでたときがある。
今は政宗の助けも期待できないから
とにかく逃げるしかない。
「でも私……」
唯さんが泣きそうな顔で私をみる。
「助けてっていってたよね??
唯さんはそんな人じゃないってわかってるから!
なにか理由があるんでしょ?とにかく早く!」
私の言葉に小さくうなずき
唯さんがはしりだす。
「はるさんも!!」
廊下から白い煙が入ってくる。
焦げ臭い。。。
たぶん、、この臭いは。。。
政宗と離れ離れになった時の臭い。。。
火事だーーーーー。
ガラガラ。
思った瞬間に廊下の奥で何かが崩れるような音がする。
もうだいぶ火の手がまわってるような感じだ。
「早く!」
尻餅をついているはるをひっぱりあげる。
「だめ。。。腰が抜けてる。。。」
はるが私をみあげる。
「ダメ!早く!!!」
「うー。。。」
はるがなんとかたとうとするも
本当に力が入らないようだ。
「先に。。。先にいってください。。。」
涙目で訴える。
「くっ。。。」
後ろ手に男が立ち上がるような気配を感じる。
危ない。
その刹那、
思ってはいけないことを思ってしまった。
このまま、はるを置いていって
もしいなくなったら、、、、
政宗をーーーーーーーー。
「ひなさん!!」
襖に手をかけ外の様子を伺っていた唯さんが叫ぶ。