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【イケメン戦国】蒼い瞳の向こう側

第11章 策略。





「なっ。。。」


そこにははるの後ろにまわり
首に小刀をつきつけている唯さんの
姿があった。
はるはあまりの突然のことに顔が硬直している。

「何してるんですか。。。」

口から出たやっとの言葉がそれだった。

「申し訳ありませんが、そのままお待ちください。
 動かなければ危害は加えません。」

かわいい幼い顔からは想像もできない
落ち着いた冷たい声が響く。

襖の向こうからはあの音以降何も聞こえない。
ただなんとなく焦げた臭いが立ち込める。

一体どういう事だろう。
政宗達は大丈夫だろうか。
いや。あの3人ならむしろ私たちの状況の方が
危うい。
どうしたら。。。

「お座りください。お茶が冷めてしまいます。」

冷たい笑顔が向けられる。
はるは涙目だ。

一旦座り冷静に考える。
こんな状態でも思考を巡らすことができるのは
やっぱり戦場でもどこでも私をつれ回してくれた
政宗のおかげだろう。

よくみると唯さんの小刀を持つ手は少し震えている。
おそらく。。。
あの時助けてと見えたのは間違いじゃない。
唯さんは誰かに怯えている。

この部屋の何処かに。、。

『何かあったらそいつの目を見ろ。』

いつか政宗に言われたことを思い出す。
唯さんの目はチラチラと右の襖をみていた。

一か八か。
どんだけできる武将でも隙ぐらいあるはず。

「唯さん、そろそろはるさんを
 離してもらってもいいですか??
 話そうにもそれでは話しにくいです。」

にこっと笑いながら唯さんをみる。
つかの間の沈黙。
焦げ臭いにおいがさらに強くなる。

唯さんが手を緩め、
すばやくはるが離れる。

「唯さんこれはどういう事ですか?」

唯さんを見つめる。

「………そっそれは。、。」

唯さんが話し出した瞬間、
チラチラとみていた襖に向かって思いっきり
体ごとぶつけた。

どん!!!

「な゛っ!!!」

変な男性の叫び声が聞こえる。
襖ごと廊下の壁にぶつかる!と思いきや
案の定、壁ではない感触が体全体に伝わる。

そこには先程のお付きの男性が
襖と壁に挟まれていた。

「こっ。。。小娘ふぜいが!!」

すぐに押し返される。
こうなると男性には勝てない。
すばやく襖から体を話すと
男は自分の勢いで部屋のなかに盛大に倒れる。




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