第10章 強く。
「俺にその反抗的な目を直接向けるのは
家康とひなくらいだな。」
私のにらみなど気にせずおにぎりを食べながら言う。
そもそもこいって、私が予定このあとあるないかとか
完全無視だよね、わかってたけど。
「……俺は別にそんな目向けてません。
向けたとしても信長様が悪いです。」
「ふっ、そういうことにしておこう。」
ばつの悪そうに信長様にいう家康。
政宗と家康も兄弟みたいだけど
信長様と家康はもう少し年の離れたお兄ちゃんと弟みたいだ。
「…ひないいよ、もう今日は終わったから。
信長様といってきな。弁当箱は洗って返しとくから」
「それはだめ。」
「何で?」
「ごはんは一人で食べない!」
「え?」
「ご飯は一人よりみんなでたべる方が美味しいと思うから。」
「何でそう思うわけ?」
家康が訝しそうに私をみていう。
「えっと。。。私の家族帰る時間がバラバラで、でも
必ずお母さんが食卓の前に座ってくれて、
一緒に話ながら食べてたの。
別にずっとしゃべってるわけじゃなくて
違うことしてたりするんだけど。
それがすっごい安心して。
一人だと
大好きなおかずもなんか味気なくて。
だからあんまり一人で食べてほしくないの。」
「ほぅ。。。」
信長様が感心したような声をあげる。
「って、しゃべりすぎましたね。
すみません…なんか甘いですよねこういうの。」
戦国時代ではそんな家族で一緒とか
そういうのとは別次元の話もあるし。
政宗とか母に毒を盛られそうになったとか聞いたし。
でもこれだけは譲れなくて。
前のタイムスリップの時もこれがきっかけで
朝御飯をみんなで食べるようになった。
今ははるが呼び掛けたみたいだけど。。。
ちょっと熱く話しすぎて
顔が熱くなってるのが自分でもわかる。