第10章 強く。
「はい、今日は鯖の塩焼き弁当ですー」
そういってお弁当を家康に渡す。
「…ありがとう。」
「おいしい?どう??」
「……まだ、食べてない。」
そういって鯖を口に運び
ふっとやさしい顔をする。
味は家康仕様にとびきり辛いのに。
この顔をしたら美味しいという合図だ。
最初は政宗に分量を教えてもらい、
そこまでいれるのかというくらい唐辛子をいれるのに
驚いたけど。
「じゃあ私もいただきます。」
塩鯖をおむすびにしたものを
口にいれる。
「毎回思うけどひなは弁当食べないの。」
「えっ、いやぁ。。味見で?おなかいっぱいになって。」
自分の分は盛り付けが苦手で家康の分をつめるのに
時間がかかりすぎてもういいやと思うのと
洗い物が面倒くさくて少しでもへらそうという
完全怠慢ということを言うのがはばかられ
適当にごまかす。
「ふ~ん」
あっ、絶対、納得してない目だ。
「どうせ洗い物が面倒くさいからだろう。」
「!!信長様!!」
振り替えるとにやりと笑った信長様がいた。
「ちっちがいますよ!!」
しどろもどろになって答える。
「やっぱり。」
家康があきれわらいをしながら言う。
「エコですよ!エコ!!」
「えこ??なんだそれは。」
あっ、そうだった、この時代にエコとか
そういうのがなかったんだ。
「うーん、環境に、森や湖やに優しいってことですよ!」
「なんだ、貴様が弁当につめるのが面倒で
お握りを食べると言うことが優しいのか。」
う゛。。。
「まぁそういうことです。(違うけど)
そんなことは置いといてどうしたんですか?
今日は信長様お弁当いらない日でしたよね?」
というのも、家康にお弁当を作り出したところを
信長様が気づき、
自分もいるときは作れと命じられたからだ。
今日は昨日確認したらいらないっていわれたはずだけど。。。
「貴様、俺が貴様に話すときは弁当のことしかないと
思ってるな?」
「え?いや、そうですね。失礼しました。」
「時間ができてな。ちょっと城下にいく。
貴様もこい。」
そういってまだ食べていない方のおにがりを
ひょいととられて食べられる。
「あっ!!!私の昼ごはん!!」
きっと信長様をにらむ。