• テキストサイズ

【イケメン戦国】蒼い瞳の向こう側

第10章 強く。




「腕、曲がってる。」

「え?こう?」

「そう。」


あれから一ヶ月、
家康に薬の調合とあわせて弓も教えてもらっている。
他の仕事もあるのに、
こうやって時間をつくって
教えてくれるのは本当にありがたい。

一度、申し訳ないからどっちかにしてもらってもいい
っていったのに

「……別に嫌じゃないし。
 薬もここまで教えて中途半端に忘れられたら困る」

と言われ同時に教えてもらっている。
弓術は心の持ちようでまったく違ってくる。
まっすぐ的を見つめそれに向かって放つ。
心が乱れているととんでもないところに飛んでいく。
だからこそ、強く心をもち
平常心で矢を放つ。


ーーーーパンっ!!


矢がまっすぐ飛んでいき、的にきれいに当たる。
まだど真ん中とはいかないけれど。。。

「……いいんじゃない。」


ここ数日でなんとなくコツを
つかめてきた気がする。
最初はまったくできなくて
このまま矢を放つことなく終わるかと思ったけど。。。

「あぁーー、腕がいたいーー!!」

「そうやって終わったあと叫ぶ以外は。」

「うっ。。。だって。。。」

矢をかけて弦をひっぱりそのままの状態で
的にあわせるのが
普段まったく使ってなかった筋肉を使うのか
プルプル震えるのを耐えるのに必死だ。

「でも、なんとなくわかって来た感じがする!!
 家康のおかげだよ。。ありがとう。」

「……っ!当然、むしろ俺が教えてだめだったら
 本気センスがないひな側の問題だし。」

目を逸らして、家康がいう。

「そうですねーだっ」

素直に褒めてくれたらいいのに、、、
もう慣れたけど。

そしてもうひとつ、できた習慣が。
午前中に薬の調合と弓術を習ったあとは
私のお弁当を食べる決まりになった。

というのもじゃあせめてなにかお礼をさせてというと

『じゃあ………ひなの弁当が食べたい』

と言われたからだ。
この前の花見弁当みたく豪華にはできないけれど
自分の給料内で食材を買い、
家康好みの辛いお弁当を作る。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp