第1章 ファントムブラッド
やはり、ディオ・ブランドーは嫌なやつらしい。
ジョナサンの腕時計を「借りた」と言って返さなかったり、ボクシングの試合にかこつけて目に指を入れて殴り抜けたり、ジョナサンの根も葉もない噂を流してジョナサンを孤立させたりしているらしい。
「……ディオはいつも僕に嫌がらせをしてくるんだ。僕、何かしてしまったのかな?」
「ジョナサンが何かしてるわけじゃない。
きっとあいつはプライドが高いんだろう。で、生まれに劣等感があるんじゃないかな?だから生まれも育ちも良いジョナサンに対して対抗心があり、『一番ではないと気が済まない』んだと思う」
「そうなのかなぁ……?」
「多分ね。まあ、ジョナサンが気にすることじゃないさ」
「なら良いんだけど……」
そんな感じでジョナサンの相談に乗ることも多くなった。
ジョナサンは私以外の友達もいなくなり、家ではジョースター卿にディオと比べられてご飯抜きにされたりしているらしい。
それは、困ってしまうよなぁ……。
何か変わるきっかけがあると良いんだが……。