第1章 ファントムブラッド
次の日の朝。
ジョナサンに呼ばれた私は、少しだけ眠いのを我慢してジョースター邸へと行った。
「おはよう、ナマエ!」
「ああ、おはよう……で、どうしたんだい?」
「いや、ほら、今日養子になる子が来るだろう?で、不安になっちゃって……」
「そうか……。分かった。じゃあ一緒に待つよ」
「ありがとう!」
こうして、私は養子の子を待つこととなった。
その間にジョナサンは部屋を片付け、一応ダニーは部屋に入れた。犬が嫌いな人もいるからね。
十分後、家の前に馬車が止まった。
先にドサリと地面に投げつけられた荷物に唖然としていると、次に男の子が飛び降りてきた。
顔は整っている。
だが、目の奥に野心がくすぶっているのがみえた。
「君がディオ・ブランドーだね?」
「そういう君はジョナサン・ジョースターか。
そちらの女性は誰だい?」
こいつに本性で相対したくなかった。
「初めまして。
私はナマエ・ミョウジと申します。ジョースター様の養子の方を見てみたくて、幼馴染のジョナサンに頼んでしまったの。これからよろしくお願いしますね」
にっこりと笑って言うと、ディオの目が冷たくなった。
どうやら、私をその辺と同じつまらない女だと思ってくれたらしい。
よかった。それが狙いだからな。