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馬酔木の助力

第1章 ファントムブラッド


ある日、珍しくジョナサンが嬉しそうな顔をしていた。

「ジョナサン、楽しそうだね。何かいいことでもあったのかい?」

「ああ、ナマエ!実は…」

話を聞くと、どうやらジョナサンは前いじめられてた女の子を助け、その女の子がぶどうとハンカチを届けてくれたらしい。で、明日遊ぼうと叫んだと。

「それは良かったじゃないか!どんな子なんだい?」

「すごくおしとやかで、照れ屋みたいなんだ!近くの木の枝にハンカチとぶどうが入ったカゴをかけたときに目があったんだけど、すぐに逃げてしまったんだよ」

「それはジョナサンにお似合いな女性だね」

「え、そ、別に付き合うってわけじゃ…」

「いやいや、そんな素敵なお嬢さんを逃したら後悔するよ?」

「そうかなぁ……?」

恥ずかしがっているジョナサンを焚きつけておいた。
まあ、話を聴くとすごくいいお嬢さんらしいしね。

「あのさ、ナマエ…」

「ん?」

「その子と二人っきりっていうのが恥ずかしくてさ……一緒についてきてくれない?」

「何を言ってるんだい?それくらい一人で行きなさい」

全く……本当に彼は純情だね。
とりあえずしばらく楽しく遊んでいたようだが、少しだけディオが苛立っているように見えた。
嫌な予感がする……!

そんなある日、ジョナサンが私を家まで呼びに来た。

「どうしたんだい?」

「エリナがナマエに会ってみたいってさ。僕の話を聞いて興味が出たんだって」

「それなら、少しだけ二人の逢瀬にお邪魔させてもらおうかな?」

茶目っ気深くいうと、頬を染めたジョナサンに少しだけ小突かれた。

二日後。私はエリナ・ペンドルトンと初めて会った。

「初めまして。君がエリナ・ペンドルトンだね。私はナマエ・ミョウジ。ジョナサンの幼なじみだよ。よろしくね」

「ええ、こちらこそよろしく!ねぇ、私のことはエリナと呼んでもらえないかしら?」

「もちろんさ!じゃあ、私のこともナマエと気軽に呼んでくれ!」

「わかったわ!」

こうして、私もエリナと仲良くなった。
ジョナサンが一緒にいられない日は私がエリナを見守るようになった。
そろそろあのディオがしびれを切らして何かをしてくると思うんだが…。
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