【ハイキュー】駒鳥が啼く頃、鐘は鳴る【木兎&赤葦】
第7章 冬の蝶
しばらくして、パタンというドアの開閉する音が京香の耳に聞こえてきた。
罪悪感を鎮めていたのか、それとも京香が落ち着くのを待っていたのか。
どうやら赤葦は一度、部屋の外に出ていたようだ。
近づいてくる足音に耳をそばだたせていると、唇に触れる男の指を唐突に感じる。
ああ、始まりの合図だ。
白薔薇の香りに紛れた興奮した男の息遣い。
いつもより心なしか乱暴なのは、先ほど京香が木兎家を離れると言ったせいだろう。
そしていつもより心なしか・・・
「・・・泣いているのですか・・・?」
京香に触れる彼の手が震えていた。
肌に触れられるたび、花弁が一枚一枚剥がされていくような感覚に陥る。
着物を着ていない、ただそれだけのことなのにどうしてここまで心も身体も無防備にされてしまうのだろう。
姉弟で同衾するという行為に、恐怖と罪悪感が荒波のように押し寄せてくる。
と同時に、その背徳感が京香をどうしようもなく煽った。
「あッ・・・」
普段ならしばらく肌の柔らかさを楽しむように全身を触れられるのだが、この日はいきなり太腿を割られ、その奥にある敏感な部分に触れられる。
途端に目から火花が出るような快感を覚え、京香は驚いて腰を高く宙に浮かせた。
───怒っている・・・?
それは漠然と感じた相手の感情だった。