【ハイキュー】駒鳥が啼く頃、鐘は鳴る【木兎&赤葦】
第6章 冬霞
圧倒的な恐怖が再び八重を襲う。
世の中には自分と同じ年齢ですでに嫁いでいる女性だっているし、牛島若利の妻になることを決意したぐらいだから、処女を散らす日もそう遠くないと覚悟していた。
でも、こんな形を望んでいたわけではない。
「ああ、離して・・・!」
赤葦の指が下腹部をなぞる。
そして誰にも触れさせたことのない場所まで来ると、一瞬だけ躊躇ったのか動きが止まった。
「八重様・・・貴方は私の光です」
混乱している状態でどこまで言葉を理解してもらえるか分からないが、赤葦は先を続けた。
「光は強ければ強いほど、生み出す影も濃く深くなっていく。そして影の中でしか生きることのできない存在をどんどんと飲み込んでいく」
唾で濡らした指を蕾の中へと差し込むと、その痛みで八重の細い腰が浮きあがった。
「痛いっ、やめて、お願い・・・!」
「先ほども申し上げた通り、私の命は木兎家のためにある。この身体に流れる血液も、この身体が生み出す精液も全て───」
だから貴方のために血を流すことなど容易い。
「暗闇の底で燻る熱を鎮められるのは貴方だけです。私は木兎家のためでなければ、子種を吐き出すことすらできない」
それでも赤葦とて十七歳。
時にはどうしようもない欲望で身体が疼くことだってある。
「私を救えるのは貴方だけなのです。貴方にだけ・・・私はこの熱を吐き出すことが許される」
指一本を差し込むのがやっとな秘部を広げようとすると、八重から悲鳴が上がった。
赤葦に同情すればいいのか、嫌悪すればよいのか分からない。
ただただ、涙が止まらなかった。