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【ハイキュー】駒鳥が啼く頃、鐘は鳴る【木兎&赤葦】

第6章 冬霞




「赤葦・・・今ここでやめてくれるなら、私は全て忘れるわ。だから離しなさい」

しかし八重の声は、赤葦の耳には届かなかった。
むしろ彼の衝動に火をつけたようだ。

「・・・ッ!!」

血管の浮き出た大きな手が胸元の半襟を剥ぎ取り、強引に襟を押し開く。
そして乳房と呼ぶには頼りない膨らみに手の平を被せると、過呼吸を起こさんばかりに激しく上下している胸を上から圧迫した。


「グッ・・・く・・・苦しい、あか・・・あし・・・」


苦しみにもがく小鳥。
それを見下ろす猛禽類の瞳は冷たく、光をまったく宿さない。


「じ・・・自分が何をしているか分かっているの・・・?」


その瞬間、赤葦の喉がヒュウと音を立てた。


自分が何をしているか分かっているか、だって?


───貴方がそれを聞きますか、八重様。


俺の心臓は木兎家のために鼓動しているのです。
俺の血液は木兎家のために流れているのです。


「恨むなら、貴光様の娘として生まれたご自分の運命を恨んでください」


俺の全てを支配する木兎家の御令嬢として生まれたご自分の運命を恨んでください。







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