【ハイキュー】駒鳥が啼く頃、鐘は鳴る【木兎&赤葦】
第6章 冬霞
“───京治・・・私を許して・・・”
“私の代わりにどうか、光太郎を守ってやって・・・これは貴方にしか頼めない”
───日美子様・・・
“いいか、光太郎。何があっても京治を木兎家から出すな”
“京治には華族と同様の教育を受けさせた。木兎家の歴史や家憲もよく知る、家令として申し分の無い素質を持った男だ”
───光臣様・・・
“京治、お前は赤葦家の人間だ。木兎家のためだけに生き、全てを捧げろ”
───父様・・・
“別に話したくないならいいよ。俺はどうであってもお前を信じるだけだからさ”
“お前のすることは全て、俺と八重を考えてのことだもんな”
───光太郎様・・・
“これからは、貴方の重荷を私にも背負わせて”
“私と赤葦で木兎家を守りましょう。私は家の外から、貴方は家の中で、光太郎さんを守っていきましょう”
───八重様・・・
「どなたも勝手なことばかり仰る───!」
赤葦は握りこぶしでドンッと壁を強く叩くと、瞳の奥に青白い怒りの炎を揺らしながら八重を睨みつけた。