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恋桜

第4章 浅葱色



朝餉の支度をするために朝早く起きた。
少女は、まだ眠っている。

朝餉の支度はいつもにまして厳しかった。
布団に入らずに眠り、冷えた体。
そして、朝の水はとても冷たい。

けど、文句なんて言っても仕方がない。
とりあえず早く支度を済ませようと頑張った。
…いつもより一人分多目に作ってはみたけれど、彼女は食べられるだろうか。

朝餉が済むと、兄さまから幹部と私の分のお茶を用意して広間へ来るように仰せつかった。

台所から広間への道で多少冷めてもいいように、熱々のお茶を用意した。

「みんな揃ったな。昨夜の報告をする。」

お茶を配り、私も端へ座ると、昨夜…
彼女が連れてこられた件について報告がされた。

どうやら、血に狂った新撰組を見られてしまったようで、その時に斬ろうとも考えたが、保留にして連れて帰ったとのこと。

新撰組が見られた…。だからあんなに冷ややかな目をしていたのか。
他の幹部の目も、昨日の兄さまと同じような目をしてる…

恐怖からだろうか、頭がボーッとしてきた。

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