第6章 人間の醜いところ
「熱で倒れたよ。」
「「!?」」
目を見開くふたり。特に土方さんは顔を真っ青にしていた。
こんな土方さんを見るのも悪くない。
「今は僕の部屋で寝てるけど、一応報告しておきますよ。」
「おい、総司。副長命令だ。夏蓮をここにつれてこい。俺が面倒を見る。…妹だからな。」
あえて妹を強調してくる土方さんに笑えてくる。
こんな土方さん、めったに見れたもんじゃないよね。
「いくら副長の命令でも聞けないですよ。僕の女中さんですし、責任もって僕が面倒見ますから、安心してください。」
ただただ満面の笑みを顔に張り付けて 女中 を強調して告げると、顔をしかめて言葉を失っているようだった。
「では、お前が雪村の見張りの時間には俺が夏蓮を看病しよう。」
「えー。一君、あの子の見張りのほうを代わってほしいんだけどな。」
「断る。」
一君も、なかなかわかりやすい。
一応、あの子の見張りも仕事のうちだから、仕方なく一君の看病を了承し、部屋へと戻った。
土方さんは、納得してない様子だったけどね。