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恋桜

第4章 浅葱色



どれくらい眠ったのだろうか。
私は、ドンッという鈍い音で目を覚ました。

けれど、私は体を起こせずにいた。

おそらく、女の子だろうか。
私の隣に横たわり、それを見下ろす三人の男の人。

兄さまと一さんと総司さんだった。

「いいんですか?夏蓮ちゃんと同じ部屋で。」

「構わねぇ。こいつも女だ。誰か女と一緒の方が安心だろう。それに、お前と違って誰彼構わず斬るような真似もしねぇだろう。」

「いやだなぁ土方さん。僕だって、誰彼構わずは斬りませんよ。」

この兄さまと総司さんは、本当に私の知っている人なのだろうか。
私の隣に横たわる少女を見下ろす目が、とても冷たい。
女の人に対する態度も、冷たい…。
こんな人、私は見たことがない。
体を起こせずにいるのは、恐らく…
少女を見ているこの三人が怖いから。

「副長。夏蓮が寝ています。とりあえず、場所を変えましょう。」

「そうだな。」

一さんの一言をきっかけに、三人は部屋から去っていった。

この寒いなか、猿轡をされて、両手を縛られそのまま放置された少女。

三人が去ったことを確認し、私は少女を布団の上へと転がした。

………仕方ないでしょう?
私には彼女を抱き上げる力なんてないもの。

彼女が風邪を引かないよう、掛け布団をかけると、私は畳の上へと横になった。

こんな寒いなか、可哀想だもの…。

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