第4章 浅葱色
「おはよう。昨日はよく眠れた?」
「貴方は…」
「…みたいだね。畳のあとがついてるよ」
「!?」
少女が入ってきてそうそう、からかう沖田さん。
でも、
「それはないと思います…。彼女が入ってきたことに気づいたので、布団に横にしてあげました。畳で寝たのは私の方ですから。」
「なっ!夏蓮…お前が風邪でも引いたらどうすんだ!?」
夜の件を話すとすごい剣幕で叱る兄さま。
からかわれたと気づいた彼女は、顔を赤くしているものの、私を心配そうに見てくれていた。
「では、彼女が風邪でも引いたらどうなさるおつもりですか?」
私は負けじと意見した。
意見できる立場じゃないことくらいわかってる。
心配してくれていることもわかってる。
でも、女の子にあんな態度おかしい。
「……で、そいつが目撃者?ちっちゃいし細っこいなぁ。まだガキじゃんこいつ。」
「お前がガキとか言うなよ平助。」
「だな。おまえもこいつも似たようなもんだろうがよ。」
「うるさいなあ!おじさん二人は黙ってなよ」
「よさんか三人とも!」
いつもの三人組がふざけあっていると、近藤さんに咎められた。
近藤さんは、続いて自分と兄さまの紹介を丁寧にしていて、兄さまに呆れられていた。
なんだか、近藤さんらしい。
そして、昨晩の件を一さんがまとめて話すと、
「私、なにも見ていません。」
という少女。
たぶん、これが生きられる道なのだろうと思ったのかもしれない。
総司さんは、斬ればいいと何度も言っていた。
私の知っている総司さんは、まだまだほんの一部なんだと思い知らされる。