• テキストサイズ

【テニプリ】闇菊/番外編【R18】

第2章 【海水浴!ナンパだホイ!】菊丸英二/夢主




「よーし、ラスト!、次こそ勝つぞー!!」
「ええ?、でももう私の2勝ですから、その、申し訳ありませんが、英二くんは負け・・・」


残り2本になった線香花火の1本を私に手渡しながら、やる気満々の英二くんだけど、もう結果が決まっている以上、これ以上勝負する理由がなくて・・・
だけど、英二くんは、チッチッチッ、と舌を鳴らして中指を左右に揺らす。


「最後は大逆転のスペシャルチャーンス!ポイント2倍ってね!」


そうウインクをする英二くんに、なんですか、そのズルいルールは・・・、なんて呆れながらも、やる気満々なその様子に、仕方が無いなって苦笑いをしてしまう。


「別にいいですけど、2倍じゃ、たとえ英二くんが勝ったとしても、2勝2敗で引き分けですからね?」
「ほえ?・・・あ!、そ、そっか、んじゃ、3倍!!」


慌てて指を2本から3本に増やした英二くんは、せっかくだから負けた方は勝った方のお願い、なんでも聞くんだかんな?、なんてまたしても勝手にルールを追加する。


「・・・いいですよ、どうせ負けませんし。」


そう、負けるはずがない。
英二くん、何回やったって、じっとしていられなくて、途中でポトリと落ちてしまう。
やっぱりどう考えたって、英二くんは線香花火に向いているとは思えなくて・・・


いっせーの、でつけた線香花火・・・
パチパチと派手な火花を散らす。


その先端を握る英二くんの指先は、案の定、既にプルプルと震えていて・・・
きっと、火花が落ち着いて丸まったら、直ぐにでも落ちてしまうに違いなくて・・・


「小宮山、あのさ・・・」
「はい・・・?」


突然、頬にフワリと触れた柔らかい感触。
それは紛れもない英二くんのキス。
え?え?、そう驚いて思わず身体をのけぞらせると、ポトリと落ちた赤い火の玉・・・


「ああっ!」
「やーりー、オレの勝ちー!」


一気に熱くなる頬をそっと手でおさえる。
ブイブイビー!、そう得意気にブイサインをする英二くんの顔を、反則です、なんて抑恨めしく思いながら睨みつけた。

/ 65ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp