第2章 【海水浴!ナンパだホイ!】菊丸英二/夢主
「小宮山!、小宮山ってば!!」
近くの浜辺に小宮山を引き上げると、必死にその名前を呼ぶ。
そんなに時間がかかんないうちに助けだせたけど、小宮山は呼びかけに応じてくれなくて・・・
このまま目を開けなかったら・・・そう不安で気が狂いそうになる。
だけどその瞬間、小宮山が目を開けてくれたから、良かった、そう心から安心してその身体を抱きしめた。
「小宮山、ダメじゃん!、泳げないのにひとりで海に入ったら!」
「ちゃんと泳げますよ・・・10メートルくらいですけど・・・」
「それって、泳げるって言わないから!」
あんなに怒っていた小宮山がオレを許してくれて、いつものように笑い合うことが出来るようになって、本当によかった、そう心から安堵してキスをする。
塩気を含むキス・・・
仲直りのもう一回・・・
少しためらいながらも舌を絡めると、塩気が小宮山のいつもの甘い唾液に変わっていく・・・
小宮山、さっきまで溺れてたんだから、酸欠にさせるわけにいかないのに、その甘い味にどんどん夢中になってしまって・・・
「あ、あの、英二くん・・・」
苦しくなって唇を離すと、ふたりを繋ぐ水の玉・・・
真っ赤な顔で視線を泳がす小宮山も、完全にその気になってるオレ自身に気がついてる・・・
・・・ゴメン、抱きしめたまま苦笑いで謝ると、小宮山は、フルフルと首を横に振り、ギュッとオレの背中に回した腕に力を込める。
・・・これって、小宮山、もしかして・・・?
ここは完全に海水浴場とは切り離された砂浜で・・・
わざわざ泳いでなんか、誰も来るはずない孤立した場所で・・・
そんなふたりきりの空間で、小宮山は熱っぽい視線でオレを見ていて・・・
そんな視線で訴えられたら、もう止めることなんて出来っこなくて・・・
勢いよく唇を重ねると、ラッシュガードの前を思いっきりはだけさせる。
そのまま、首筋をたどって胸の谷間までオレのしるしを刻みつけた。