第2章 【海水浴!ナンパだホイ!】菊丸英二/夢主
「・・・じゃあ、英二くんもあの女の人たちと、エッチなことしようと思っていたんですね?」
そう言って小宮山が涙を流した。
ドクンと心臓に衝撃が走って、動けなくなった。
「私と約束してたビーチバレーもスイカ割りも、英二くんはあの女の人たちと一緒にしたのに、どうして私だけが責められないといけないんですか?」
小宮山、オレがあの女たちと遊んでたこと、なんで気がついて・・・
いんや、そんな問題じゃない、当たり前だ、小宮山が怒んの・・・
自分のことは棚に上げて、真っ先に小宮山を責めるなんて・・・
「・・・ご、ごめん、小宮山、オレ・・・」
とにかく謝んなきゃ、そう思って小宮山に手を伸ばすと、パシッとその手を振り払われた。
さっきの女の人たちのところに戻ればいいじゃないですか、そう言いながら小宮山は向こうをむいた。
そう言われてしまうと、もう、なんも言えなくて・・・
「・・・頭、冷やしてきます。」
ボソリと呟いた小宮山が、そのまま振り向かずに歩き出す。
待ってよって引き止めなきゃなんないのに、本当にゴメンって許してもらえるまで謝んないといけないのに・・・
いいですよって、いつのように笑って許してくれない小宮山のその背中は、オレを完全に拒んでいるようで・・・
どうしても、追いかけて謝ることが出来なくて・・・
人混みの中、小宮山の姿が完全に見えなくなって慌てて我に返る。
ボーッとしてる場合なんかじゃない、ちゃんと謝んなきゃ・・・
慌てて小宮山の後を追う。
オレのラッシュガードを羽織っているから、すぐに見つかったけど、でもなかなか声をかけることが出来なくて・・・
一定の距離を保って、小宮山の後ろをついていく・・・
チラッとすれ違う男どもが小宮山をチラ見する。
オレのラッシュガードを着ていても隠しきれないスタイルの良さと、顔の良さ・・・