第2章 【海水浴!ナンパだホイ!】菊丸英二/夢主
「残念無念、また来週!!」
突然聞こえた英二くんの声、それと同時に隣の男の人の肩が引かれた。
驚いて目を見開くと、英二くんがその人の顔にスイカを押し付けていた。
一瞬、何が起こったのか、理解できなくて・・・
確かに目の前で起こったことなのに、その英二くんのとんでもない行動に、思考回路が追いつかなくて・・・
「テメェ!、いきなり、何すん・・・」
「そっちが悪いんだろ!、オレの彼女ナンパなんかするから!」
怒りの声をあげるナンパ男と、その男の人にべーっと舌を出す英二くん・・・
やっと状況が理解出来た瞬間、サーッと顔から血の気が引いていく・・・
「な、なんてことするんですか!、申し訳ありません!、大丈夫ですか?」
慌てて荷物からタオルを取り出し、そのナンパ男の顔を出来る限りキレイにする。
本当、英二くん、無茶するんだから・・・
こんなことするなんて、信じられない・・・!
英二くんも謝ってください!、そう英二くの顔を見ていうと、今度は思いっきり私に不満そうな顔をして・・・
「小宮山、なんでそんなやつの味方なんかすんだよ!?、せっかく助けてやったのに!!」
「英二くんが酷いことしたからじゃないですか!、それに別に助けられてなんかいません!、ただちょっと、かき氷食べるだけだったんですから!」
「ちょっとで済むわけないだろ!、男なんてみんな、ヤることしか考えてないんだかんな!、小宮山、何回痛い目にあったら気が済むんだよ!」
うぐっ、と言葉を詰まらせる。
確かに、私は今まで何度も痛い目にあっていて・・・
まぁ、みんな英二くん絡みなんだけど、実際、取り返しがつかない被害にもあっていて・・・
「だいたい、かき氷はオレと一緒に食べるって約束したじゃん!、それをナンパしてきた男と食べるなんてありえないっての!」
そう吐き捨てるように言われた言葉に、私の中で何かがキレた。
確かに、ナンパに着いていくなんてどうかしていたけど、だからって、そのことを英二くんにだけは責められる必要なくない・・・?